Novel Collection 怜奈の泉 
泉怜奈のオリジナル小説集。R18エロティックLOVEサスペンス「アイガホシイ」5/26連載開始! 官能的恋愛小説「Day After Day」「悪女の条件」は完結しました。

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光と影そして幻 第19章
女は寝室のベッドに横たわり、電気も付けず暗闇の中、男の硬直したペニスをほほに充て、遠くを見つめていた。
その眼は精気を失い冷たい光を持っていた。

「ローラン・・・あたしはあんただけだったのに・・・あんたはあたしを利用してただけだなんて・・・馬鹿にするんじゃないよ!あたしは・・・あんただけだったのに・・・」

呪文のように同じ言葉を繰り返し、夜が明けるまで彼女は眠ることなく囁き続けていた。

そして朝の光がさしかかるとおもむろに体を起こし、身支度を始めた。
彼女の表情には何の感情も感じられない。

あの時着ていた血だらけの服を脱ぎ、シャワーを浴びると、例のものを大事そうに取り出し、ラップに包み、膣の中に押し入れた。

無表情の彼女の表情が一時緩んだ。

ゆるく微笑んだのだ。

化粧を丁寧にし、身なりを整え、警察署へ向かった。

娘に会うために。


ジュリエットは、ファーがついた黒のコートの下に、真っ赤な胸のあいたドレスを着ていた。
肩までの栗色の髪はゆるくカールさせ、化粧は濃く、派手で奇抜な印象だった。

私は彼女に会うのは初めてだった。
彼女の表情のなさにもなにか異常なものを感じた。

冷たく暗い何かが潜んでいるように思えた。



「マダム、こちらですよ。」
そう言って、パトリックが彼女を取り調べ室へ誘導した。

私は取り調べ室のガラスの裏からラナと母親の様子を見ていた。

母親が入ってくると、ラナは涙を浮かべて黙って彼女を見ていた。

「マシェリ・・・」
そう言うとジュリエットはラナを抱きしめた。

私がいる場所からは彼女の表情がよく見える。

女の表情は、無表情だった。
何の変化も感じられない。
娘に会えて嬉しいとも感じられず、心配している様子でもない。

背筋に冷たいものを感じた。


娘が彼女の犠牲となって、苦しみを味わっていることを知っておきながら、この女には何の感情もない。
自己中心的で、良心のかけらもない。

感情というものが彼女の中には存在しないように思えた。




サイコパス




咄嗟にその言葉が頭をよぎった。




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2008.12.16
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